「夏は軽量馬(小型馬)が走る」という言葉を聞いたことがありますか。「夏は牝馬」や「夏は芦毛」・「夏は格より調子」など並んで、夏競馬のシーズンによく語られる格言のひとつですが、「具体的にどういうことなの?」と感じている方が多いかも知れません。
本記事では、「夏は軽量馬(小型馬)」と言われるようになった理由と夏のレースで活躍した小柄な名馬を3頭ご紹介します。ぜひ最後までチェックしてみてください。
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「夏は軽量馬(小型馬)」とは?

「夏は軽量馬(小型馬)」とは、馬体重が軽く、馬格が小柄な馬ほど、夏の暑い時期のレースで力を発揮しやすいという、競馬界に伝わる格言のことです。
サラブレッドの平均的な馬体重は470kg前後とされていますが、それよりも軽い300kg台〜400kg台前半の馬は、夏になると好走すると言われています。主に7月〜9月にかけての夏競馬シーズンでよく使われる格言です。
「夏は格より調子」と通じる部分もありますが、こちらは馬の状態よりも馬体そのものの大きさ・軽さに注目した考え方であると言えます。
「夏は軽量馬(小型馬)」と言われる理由について
夏になると軽量馬や小型馬が活躍しやすいと言われますが、一体なぜなのでしょうか。ここでは、2つのポイントを分かりやすく解説します!
夏の暑さは大型馬ほど負担が大きい
馬も人間と同じように、体が大きいほど体の中に熱がこもりやすく、夏の暑さや湿気で体力を消耗しやすくなると言われています。馬体重500kg近い大きな馬は、夏になると食欲が落ちたり、汗をたくさんかいて体重が大きく減ったりして、本来の力を出しきれないことが少なくありません。
一方で、馬体重300kg台〜400kg台前半の軽い馬・小柄な馬は、体にたまる熱の量が比較的少なく、暑さの影響を受けにくいと言われています。そのため、大きな馬が調子を落としやすい夏の時期に、軽い馬が相対的に目立ちやすくなる、というのがこの格言の背景にある理由のひとつです。
この点について「競馬は科学だ(中日スポーツ・東京中日スポーツ)」でも、データをもとにした分析が紹介されています。記事では、古馬の1勝クラスのレースで、夏に勝った馬と冬に勝った馬の馬体重を比べてみると、夏に勝った馬の方が平均で10kg以上軽かったとのことです。以上の分析を見ても「夏は軽い馬の方が勝ちやすい」と言える結果になっています。
夏のローカル開催は小回りコースが多い
夏競馬の舞台となるのは、小倉や新潟、札幌、函館といった、コーナーが多く直線の短いローカルの小回りコースが中心です。
こうした競馬場では、中央開催(東京や阪神など)のような直線の長いコースで求められるスピードや瞬発力よりも、コーナーを器用に立ち回るセンスや、スピードをロスなく維持する持続力が要求される傾向にあります。そのため、大型馬より小回りが利き加速できる軽量馬のほうが、上位争いに食い込みやすい条件が揃っているのです。
この理由もあり「夏は軽量馬(小型馬)」という格言が定着していったと考えられます。
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夏に活躍を見せた軽量馬(小型馬)3選
ここからは、夏競馬で活躍を見せた、軽量馬(小型馬)として知られる名馬を3頭ご紹介します。以下をご覧ください。
ライスシャワー
1頭目は、競走生活の平均馬体重が約442kgと、牡馬としては小柄な体格だったライスシャワーです。
1991年8月、新潟競馬場で行われた芝1000mの新馬戦でデビューしたライスシャワーは、その後着実に力をつけ、1992年の菊花賞では当時クラシック三冠を目指していたミホノブルボンを直線で差し切り、その夢を阻止する大金星を挙げました。
さらに1995年の天皇賞・春では、3連覇を目指していたメジロマックイーンを2馬身半差で破ってレコードタイムで優勝。小柄な馬体を活かして長距離G1を2勝するという、夏競馬でのデビューをきっかけに数々のドラマを生み出した1頭です。

競馬界のヒール役といったら未だにライスシャワーというイメージが強いですよね!
リアルタイムでライスシャワーを見ている世代ではないですが、
ステイヤーとしてのイメージが強い分、夏の新潟1000m戦でデビューしたのは、少し意外だなと感じました。
ドリームジャーニー
2頭目は、競走生活の平均馬体重が約423kgと、こちらも牡馬としては小柄な体格だったドリームジャーニーです。
2歳時の2006年には朝日杯フューチュリティステークスを制して2歳王者に輝いたものの、3歳時はなかなか結果が出ない時期を過ごします。しかし、2008年8月、夏の小倉記念で重賞を制覇したことで復権のきっかけを掴みました。
そして、2009年には天皇賞・春3着を経て宝塚記念を制覇すると、続く有馬記念では1番人気のブエナビスタを半馬身差で抑えて優勝。同一年での春秋グランプリ制覇という偉業を達成し、この時の馬体重426kgは有馬記念史上もっとも軽い優勝馬としても記録に残っています。なお、ドリームジャーニーは後にクラシック三冠とG1を6勝した「金色の暴君」オルフェーヴルの全兄としても有名です。

最恐の兄貴ことドリームジャーニー。
グランプリ春秋連覇のイメージが強いんですが、そのきっかけは夏にあったんですね!
最近は、池添謙一騎手のnetkeiba番組でも変わらない元気な姿を見せていました笑
メロディーレーン
3頭目は、競走生活の平均馬体重が約345kgという、競走馬の中でも極めて小柄な馬格で活躍したメロディーレーンです。
2018年10月の新馬戦でデビューした際の馬体重は336kgで、JRAの2歳出走馬としては史上最少の記録となりました。そして2019年6月、10戦目となる3歳未勝利戦でついに初勝利を挙げ、この時の馬体重340kgは1972年にジャンヌダルクが記録した350kgを47年ぶりに更新しています。
その後も、小柄な馬体を武器に通算4勝をマーク。重賞勝利こそありませんでしたが、有馬記念をはじめとした複数のG1レースにも出走し、長距離戦でスタミナを発揮しました。馬体重300kg台前半という体で懸命に走る姿は多くのファンの心をつかみ「アイドルホース」として人気を集めた1頭です。

最近から競馬を見始めたファンにとっては、
軽量馬=メロディーレーンと思う人は多いはずです!
現役時は、体の小ささを物ともせず、G1レースなどで走る姿に感動させてもらいました。
今後は繁殖牝馬としてどんな仔を出してくれるのか、楽しみにしたいところです!
まとめ
今回の記事では、夏競馬の格言「夏は軽量馬(小型馬)」について、言われるようになった理由と夏に活躍を見せた軽量馬として知られる名馬を3頭ご紹介しました。
夏は大型馬ほど暑さの影響を受けやすく、軽量馬は体に熱がこもりにくいこと、さらに小回りコースが中心となる夏競馬では軽量馬の機動力が活きやすいことが、この格言の背景にある主な理由でした。実際に、ライスシャワーやドリームジャーニー、メロディーレーンといった小柄な名馬たちは、夏競馬をきっかけに後に輝きを放っています。
夏の馬券を組み立てる際は、これまでの実績や格だけにこだわらず、出走馬の馬体重や馬格にも注目してみてください。
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