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【競馬用語】「ポツン」とは?騎乗する理由や有名レースを解説

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競馬関連の記事やSNSなどを見ていると、「ポツン」という言葉を耳にしたことはありませんか?この言葉は、ある騎乗スタイルのことを指しています。

本記事では、競馬用語における「ポツン」の意味や、その騎乗が行われる理由、勝利につながった名レースを3つ解説します。ぜひ最後までチェックしてみてください。

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「ポツン」とは?

競馬用語における「ポツン」とは、他の馬から大きく引き離された位置を、たった1頭だけで追走する騎乗スタイルのことです。馬群からポツンと離れている様子からこう呼ばれるようになりました。

「ポツン」には大きく分けて2つのパターンがあります。先頭に立ったまま後続を大きく離して独走する形は「前ポツン」。逆に集団から取り残されるように最後方にと控える形は「後ろポツン」と呼ばれます。いずれも、レースの大半を1頭だけで進めるのが特徴です。

この騎乗スタイルを最も象徴する存在が、ベテラン騎手の横山典弘です。キャリアを通じてこの騎乗スタイルを何度も見せてきたことから、ファンからは親しみを込めて「ノリポツン」と呼ばれてきました。馬券を買うファンにとってはヒヤヒヤする場面が多いものの、その裏でいくつもの名勝負を生み出してきた騎乗スタイルでもあります。


「ポツン」騎乗をする2つの理由

騎手がレース中に「ポツン」騎乗をする理由としては、以下の2つが主な理由として挙げられます。

馬の気持ちをコントロールしたい

「ポツン」騎乗をする理由の1つ目は、馬の気持ちをコントロールするためと言われています。

そもそもレースで走る競争馬(サラブレッド)は、非常にデリケートな動物です。周囲の環境やちょっとした変化にも敏感なため、嫌なことやストレスがあると、レース最後の直線で「思うように走ってくれない」なんてことも。

そうした馬の性格を考えて、あえて他馬と距離を置く「ポツン」騎乗は、馬にかかるストレスを大きく減らせるため、無駄なスタミナ消費を抑える効果が期待できます。馬の気持ちを最優先にしてノビノビと走らせることが、その馬本来の力を引き出せるというわけです。

最後の直線に向けて脚を溜めたい

2つ目の理由は、最後の直線に向けて「脚を溜めたい」という理由です。

ここでいう「脚を溜める」とは、JRAによると以下のように定義付けられています。

レースの途中でペースを落としてスタミナを温存すること。

ためる(競馬用語辞典)|JRA

道中でパワーを蓄えておくからこそ最後の直線で爆発的なスピードを発揮できる、というが競馬では基本的な認識です。

特に、馬群から離れて後ろを進む「後ろポツン」の場合、他の馬とぶつかり合ったり、進路をブロックされたりするリスクがほとんどありません。余計な体力を使わずにスタミナを温存できるため、最後の直線で馬の瞬発力を最大限引き出し、後方から一気に差し切ることが期待できるというわけです。


「ポツン」騎乗で勝利した有名レース3選

最後に、横山典弘騎手が勝利した中で、特に有名な「ポツン」騎乗レースを3選ご紹介します。

セイウンスカイ(1998年菊花賞)

1998年の菊花賞は、後に「史上最強世代」と呼ばれることになる1998年世代が激突した一戦。春のクラシック二冠(皐月賞・日本ダービー)を分け合ったライバル同士の対決となり、武豊騎手騎乗で同年のダービー馬スペシャルウィークが単勝1.5倍の1番人気に支持される一方、横山典弘騎手騎乗で同年の皐月賞馬だったセイウンスカイは、4.3倍の2番人気に支持されていました。

この大一番で、横山典弘騎手は「前ポツン」とも呼べる大逃げを行います。スタート直後からハイペースで後続を引き離すと、中盤で巧みにペースを落として脚を溜め、淀名物の下り坂で再び加速するという、当時の競馬常識を覆す騎乗を披露しました。その結果、直線でも脚色は衰えず、後続に3馬身半差をつけて逃げ切り勝利。勝ちタイム3分3秒2は当時の世界レコードを更新する圧勝劇となりました。

後にG1を複数勝利することになる名だたるライバルたちを置き去りにしたこのレースは、「ノリマジック」とも称されるレースとして、今もなお語り継がれています。

筆者
筆者

未だに史上最強世代とも呼び声高い1998年世代。
リアルタイムを見ている世代ではないですが、
ダービーがスペシャルウィークの圧勝だっただけに、菊花賞のノリさんの騎乗は驚いた人が多かったんだろうなと思っています。
このレースをきっかけに「ポツン」は使われるようになったんですかね?笑

イングランディーレ(2004年天皇賞・春)

2004年の天皇賞・春は、前年にクラシック二冠(皐月賞・日本ダービー)を制したネオユニヴァースや、同じく前年の菊花賞馬ザッツザプレンティ、阪神大賞典を制したリンカーンなど、長距離戦に強い有力馬がずらりと顔をそろえた一戦でした。

そんな中、横山典弘騎手が手綱を取ったイングランディーレの評価は10番人気と低いものでした。しかし横山騎手はスタートから迷わず先頭に立つと、一時は後続に20馬身以上の差をつける大逃げを展開します。有力馬同士が互いを意識して牽制し合うばかりで、誰もイングランディーレを捕まえに行こうとしないままレースは進行。結果、そのまま2着に7馬身差をつける圧勝で、イングランディーレにとってもG1初制覇となりました。

このレースは、横山典弘騎手の長男で同じく騎手を務める横山和生騎手にとっても印象深い一戦だったようで、Numberのインタビュー記事で、レース当日実家を出る際に父から「くるっと回ってくるわ」と聞かされていたことがどこか心に引っかかっていたと、明かしています。

筆者
筆者

個人的に「ポツン」騎乗の最高傑作だと思っています!
馬券購入者にとっては、人気薄×大逃げの怖さ思い知ったレースだったのではないでしょうか…
このレースの影響か、天皇賞春=荒れるみたいなイメージも結構ありますよね。

ゴールドシップ(2015年天皇賞・春)

激しい気性の持ち主として知られるゴールドシップは、2013年・2014年と二度にわたり天皇賞・春に挑み人気を背負いながらも結果を残せずにいました。迎えた2015年、ゲートに入ることを嫌がり、目隠しをして発走を待つほど気性の難しさを見せたゴールドシップはスタートで出遅れ。18頭立ての最後方からのレースを強いられます。

普通であれば絶望的とも思える展開の中、横山典弘騎手は「後ろポツン」とも言える最後方待機を選択。「抑えて上り、抑えて下る」のがセオリーとされる淀の坂で、横山騎手はあえて第3コーナー手前からロングスパートを開始。大外から一気に進出すると、そのまま直線では先頭をとらえ、最後はフェイムゲームにクビ差まで詰め寄られながらも、見事勝利しました。

3度目の挑戦でつかんだ天皇賞・春制覇は、ゴールドシップにとって悲願の一勝。レース後、横山典弘騎手は「馬と私の戦いでした」と振り返り、勝因をゴールドシップ自身の力に委ねるコメントを残しています。

筆者
筆者

みんな大好きゴールドシップ。
改めて見ても、とんでもない位置からスパートしていますよね!
ゴールドシップの天皇賞春というと元騎手の細江さんもイメージしてしまうので、競馬ファンの性(さが)でしょうか笑


まとめ

今回は競馬用語「ポツン」について、意味や騎乗する理由、横山典弘騎手が勝利へ導いた「ポツン」騎乗の名レースを3選を解説しました。

「ポツン」とは、他の馬から大きく離れた状態で1頭だけ追走する騎乗スタイルのことで、馬の気持ちを優先する騎乗論として、横山典弘騎手を中心に語り継がれてきたこと。セイウンスカイやイングランディーレ、ゴールドシップのように、この戦法が結果に結びついた名レースも数多くあることが分かったのではないでしょうか。

次に「ポツン」騎乗を目にしたときは、馬券的な部分だけでなく、騎手と馬との駆け引きにもぜひ注目してみてください。

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